「家を買う」という事Vol.20 | センチュリー21グローバルホーム


  • 「家を買う」という事Vol.20



    【金利シュミレーション】
    前回はローンの「固定金利」と「変動金利」についての考え方をざっくりとお伝えさせて頂きました。今回は、シュミレーションを交えながらもう少し住宅ローンについて考察を進めたいと思います。
    まず、金利変動が起きた場合の影響がどの程度かを考えておきたいと思います。ここで簡単に参考用のシュミレーションを示します。
    1,000万円を35年ローンで借りた時、金利2%の場合と、1%上昇した3%で比較してみましょう。
    (いずれもボーナス払い無し、元利均等を想定しています)
    【金利2%】月々返済額=33,125円 35年間の金利総額=391.25万円
    【金利3%】月々返済額=38,485円 35年間の金利総額=616.37万円
    【差額】月々返済額=5,360円 35年間の金利総額=225.12万円
    つまり、金利が1%上がると、借入れ1,000万円あたり月々は5千円強、総支払額では約225万円の増額となります。実際に皆様がローンを組まれるときは恐らくもう少し大きい金額の場合が多いと思いますので、仮に3,500万円のローンであるならば3.5倍して頂いて「月々=18,760円、総支払額=約788万円」の増額になります。こう考えるとやはり金利変動の影響は大きいものですので、変動か固定かは熟慮する必要があると思います。
    また、金利を考える上では経済情勢についての知識があったほうがより適切な判断ができます。「経済」というととてもハードルが高く思えるかもしれませんが、まずはできることからで良いと思います。経済新聞を読んでみたり、経済分野のネット記事でもいいでしょうし、マンガなどでわかりやすい解説書等もいろいろ出ています。不動産の場合、1つの判断で「金利変動で788万円も…」「損した!」も「得した!」のいずれもありえますので、そのために少し通勤などの空き時間を割いてみて頂くと、将来にわたって誇れるマイホーム購入が実現できるかもしれません。
    ちなみに、変動で進んだのちに金利上昇の可能性が高まった場合に「固定金利」への借り換えという手段もあるにはあります。
    しかし、そういった状況下ですと、恐らく固定金利も上昇局面にありますので、なるべく早い段階で意思決定をする必要があります。そういった意味でも、経済情勢に関する知識はきっと皆様の助けになるものであると思います。

    【頭金について】
    不動産の購入を考えたとき、「頭金」の準備は非常に重要な作業です。
    しかし「金利が安い時期」で「無理なく返済可能な金額」なのであれば、「頭金が足りなくとも購入する」という選択はしても良い場合があります。後の説明をしやすくする為に、2パターンの借り入れを例示させていただきます。
    ※いずれの場合も下記条件は共通とします。
    ・全期間固定金利・35年ローン・ボーナス払い無し・元利均等
    【1】借入額3,000万円・金利2%  【2】借入額3,500万円・金利1%
      月々返済額:99,378円       月々返済額:98,799円
      総返済額:41,739,108円       総返済額:41,495,997円
    解説をしていきたいと思います。
    【1】は3,000万円のローンで、総支払額は約4,170万円でした。
    【2】は3,500万円のローンで、総支払額は約4,150万円でした。
    【2】の方が【1】よりも500万円多く借りたにも関わらず、総支払額ではおおよそ20万円安く済んでいます。
    ちなみに月々の支払額を見ても【2】の方が若干安くなっていますね。この差は、もちろん金利1%分の差から生まれています。金利が安い時期に借りることは、これほどまでの差を生むということを読み取れる事例です。
    しかし、ここまでの内容だけですと皆様から「金利が1%も違うのだから当たり前だ」と言われてしまいそうですので、もう少し「もしも」の話をしていきたいと思います。皆様、頭金の貯蓄はなさっておいででしょうか?頭金はあればあるほど良いです。借入金額を抑えられますので、月々の負担が少なくなり、ひいては総支払額も大幅に削減可能になります。ですので「購入を検討しているけれどまずは頭金を貯める!」という選択は基本的には正解です。
    しかし、下記のような場合もありえるかもしれません。
    <一>頭金500万円を目標に貯蓄を続け、ついに貯まったので3,500万円の物件の購入を決意。残額の「3,000万円」は「金利2%」で借りた。
    <二>頭金はまだ貯まっていなかったが、条件に合致する物件が3,500万円で見つかった。やむを得ず「3,500万円」を「金利1%」で借りた。もうお気付きかと思うのですが、実は条件設定をよく見て頂くと下記のようになっています。
    <一>=【1】 <二>=【2】
    【2】のほうが借り入れ金額は大きくとも【1】よりも支払額は安く済んでいました。
    つまり、頑張って頭金を貯蓄した<一>よりも、頭金が足りなくとも金利の安い時期に購入に踏み切った<二>のほうが支払いが少ないのです。これは、頭金の貯蓄をしても金利変動によっては意味がなくなってしまう可能性を示唆しています。また、頭金の貯蓄をなさっている間、もしも住まいが賃貸だった場合は、貯蓄中に払い続けた家賃分は余分に支払っていたと考えることもできます。皆様であれば、500万円の頭金を貯めるのにどの程度の期間を要するでしょうか?その期間にかかるであろう家賃の総額はおいくらでしょうか?場合によっては、その家賃は支払わずに持ち家に住むことができる選択肢があるかもしれません。今回は読みやすさを重視して、諸費用についてなど細かな試算は省いてしまっていますが、金利の変動が起きてしまった場合には似たような事例は充分に起こり得ます。ご紹介した例は極端なものではありましたが、「もしかしたら」のお話としてご参考にして頂けますと幸いです。


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