「家を買う」という事Vol.10 | センチュリー21グローバルホーム
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「家を買う」という事Vol.10
【周辺住民も「住環境」】
以前に、「家を買うことは、環境を買うこと」とお伝えしたことがあると思います。ただ、一言に「環境」といっても様々な側面があります。交通利便性なのか、緑の豊かさなのか、周辺の商業施設、学区なども含まれるでしょう。この辺りは、想像もつきやすく確認もしやすいポイントです。今回は現地ではちょっと話しにくい「環境」に少し触れておきたいと思います。
それは「住民の方々のモラル」です。抽象的なものですし確認は容易でありませんが、私はそれなりに重要な要素だと思っています。ゴミ置場の使い方や、共用部の雰囲気など、自分の感覚とずれていると居心地が悪かったり、ふとした時に嫌な気持ちになったりすることがあります。賃貸であれば引っ越せばよいですが、購入となるとそうはいきません。
また、「朱に交われば赤くなる」という言葉もございます。ご自身は強い意志を持ってそのままでいられるかもしれませんが、そこで過ごす時間の長くなる奥様やお子様がいらっしゃる場合、もしかしたら影響を受けてしまうかもしれません。正直申し上げにくいのですが、統計上で平均所得と治安は多少の相関関係があると言われています。ただ、通常は同じマンション内であれば物件価格が近しいはずですから、生活レベルも近しい世帯が集まるはずです。特に築年数が浅いうちは、お子様が小さな世帯が増えやすいので同じ「子育て」という軸を持った家族が集まり、住民間の差も少なくなりやすいです。ですので、そういった場合はそこまで過敏にならずともいいかもしれません。念の為、確認したほうがよいのは、ある程度の築年数を経ている中古マンションを購入される場合です。この場合は、子育てが既に終わっている世帯も多いはずなので世帯ごとに意識の差が生まれやすいですし、管理組合の管理に対する姿勢の差も出てきていると思います。いくつか目視で状況が掴みやすいポイントをお伝えしておきたいと思います。
【ゴミ置場】
捨てられているゴミの状況からは住民側の使い方が、壁面と床面からは管理体制の質を窺い知ることができます。
【郵便ポスト周辺】
新しい物件ですときれいに保たれていてあまり確認できることは多くないのですが、散らかっていたら要注意です。細かい点ではマンション側の防犯対策が厳しければ厳しい程、チラシの投函が減る傾向があります。
【駐輪場・駐車場】
使い方や停まっている車両の種類から、マンションの空気感を読み取ることができます。
子育て世代の多さはここである程度掴めると思います。
ちなみに、駐輪所に全く乗っていなさそうな自転車が多い場合、管理の手が回り切っていない可能性があります。
【ベランダ・バルコニー】
見える範囲に限定されてしまいますが、洗濯物の干し方や私物の置き方は住民の性格が表れやすいです。特にご自身の検討している部屋の周辺住戸は見ておくべきでしょう。
【新築マンションの見方】
新築マンションは、その物件を建築した会社が売主様として直接皆様に販売をなさるか、特定の専門業者に販売業務を委託してしまっている為、仲介業者からはご紹介ができない場合が多いです。ですので、新築マンションの購入についてはそのほとんどをお手伝いすることができません。だからこそ、中立の立場として確認すべきところや注意点など、売主様目線では少し話しにくいところをご紹介していきたいと思います。新築マンションは一部、完成後に現地で実際のお部屋を見ながら検討できること(「完成売り」「竣工売り」などと呼びます)がありますが、多くの場合はそうではなく、建築中にモデルルームを見て検討する「青田売り」がほとんどです。そしてこのモデルルーム、売れ行きを左右するものですから売り手側はそれはもう気合を入れて作りこんでいます。インテリア等の専門家を雇ったり、有名な家具メーカーと提携したり、家具の配置から高さまで徹底的に作りこんでおり、特注品に相当な費用をかけているケースなども少なくありません。通常仕様であれば付属していない、有償オプションも見本として多数が採用されていて、「こんな生活ができたら素敵」と思わせる演出がなされています。
しかし、購入して実際に入居したとして、同じような生活を送る方は少数派ではないでしょうか。既にお持ちの家具も多数流用されるでしょうし、ご自身が検討するお部屋とモデルルームは向きも形も違う場合が多いと思います。モデルルームでは見た目に惑わされず、標準仕様の使い勝手や雰囲気を掴むことが大切です。
また、できればモデルルームに行く前に現地を確認しておけると尚良いと思います。わかってはいてもやはりプロの仕事ですから、モデルルームにいくと気分が高揚しがちです。その前に冷静な状態で現地を見て、長い年月そこでの生活が可能そうか、交通の利便性や周辺の施設、隣接地の状況などを把握しておくことで精度の高い判断をしやすくなると思います。
さて、そのような下準備も終えて実際にモデルルームに行きますと、しつこいようですが楽しいです。最新の設備、充実の共用部に目を奪われると思います。
しかし、それら全ては購入される方々が負担される「購入代金」と「毎月の管理費等」を原資に提供されます。
ですので、あったらいいなと思うものも、「ずっと使い続けるだろうか」「支払いが続くことに納得できるだろうか」という一歩引いた判断基準を持って頂けるといいと思います。