不動産屋の気になるNEWS! 2022年4月号 『路線価による資産評価否定』⁉ Vol.1不動産屋の気になるNEWS! 2022年4月号 『路線価による資産評価否定』⁉ Vol.1 | センチュリー21グローバルホーム
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不動産屋の気になるNEWS! 2022年4月号 『路線価による資産評価否定』⁉ Vol.1
相続課税訴訟、最高裁で弁論開く
不動産の相続税額の計算は原則として国税庁が示す路線価に基づいて土地の評価額を算出するのですが、今回注目したいのは実際の取引価格より著しく低い路線価に基づいて不動産の相続税を評価する事の適否が争われているという裁判の行方です。この裁判は一審の東京地裁では国税側の勝訴とし、二審の東京高裁でも同じ判断となり、最高裁に上告されていたもので3月15日に最高裁で弁論が開かれ、判決期日が4月19日に指定されました。
ちなみに路線価とは土地の価格の1つであり、国税庁が道路ごとに1㎡あたりの土地の価格を決めて毎年7月に発表するものです。
土地の形状や条件によっては価格補正が必要になりますが、相続や贈与でもらった土地に対する税金の算出基準となるのがこの路線価という事になります。(詳しくは2021年8月のコラムをご参照ください。https://www.globalhome.co.jp/blog/page_528.html)
例えばタワーマンションを使った節税など実勢価格と路線価との評価の差を使った節税はご存じの方も多いかもしれませんが、この方法も相続税対策としてのマンション購入が明らかな場合などは税務署から否認されるのと同様に、今回のケースも相続開始前の約3年半前から2年半前と短期間に購入されている等、合法ではあるものの極端な節税と判断され、納税者が評価した財産価格について国税が「著しく不当」と考えた場合、例外的に「国税庁長官の指示を受けて評価する」と規定する「財産評価基本通達6項」という伝家の宝刀と呼ばれる国税の特別な手法の是非が大きな争点となっています。
この国税の手法については、過度な節税対策の歯止めとして機能する一方、「著しく不当」とされる基準があいまいだとの指摘もあり、最高裁が上告審で弁論を開く場合、二審の判断を変更する事も多いため、結論を大きく見直すのか、結論として二審の判断は維持しつつも二審とは異なる法的判断をした上で、どのような場合にこの伝家の宝刀を適用するかの「例外規定」を示す可能性もあり、弁論には関係者など多くの傍聴人も集まり、入りきれない人であふれるほど注目の裁判となっています。
今日はここまで