賃貸中の不動産、売却するには?-不動産コラム「家を売るという事」Vol.36 | センチュリー21グローバルホーム


  • 賃貸中の不動産、売却するには?-不動産コラム「家を売るという事」Vol.36




    【賃貸中だと値段は大幅に下がる】

    賃貸中のまま高く売却はできません
    ご売却事情が転勤等の場合、もしかしたら戻るかもしれないと、賃貸に出される方がいらっしゃいます。
    只、数年後状況が変わり、売却を検討されるも、借り手が出ていかないと賃貸中のまま売りに出す必要があります。
    先にお伝えしておきたいのが、「賃貸中のまま高く売却は出来ない」ということです。何故なら、投資用物件として売却する必要があるからです。正確に言うと、居住用物件として売却する場合と比較して安くなりやすいです。

    その理由は、次のとおりです。

    ・買い手が自ら住むために買う
    「居住用物件」は住宅ローンが使えるが、買い手自身は住まず、誰かに貸して家賃を受け取るために買う「投資用物件」では、住宅ローンを使えずに、投資用ローン(事業用ローン)扱いとなる。

    ・物件の評価方法が居住用物件は「近隣事例比較法」による評価だが、投資用物件は「収益還元法」による評価となる
    投資用ローンの金利は非常に高く、融資額もせいぜい売買価格の70%程度です(住宅ローンであれば、物件価格のであれば、物件価格の100%借りられる場合もあります)。

    借り手が出てゆくと言わない限り、退去は難しい
    手持ちの物件を売るか貸すか迷っている人は、貸した場合は借り手が出て行くまでは高くは売れないと思ってください。日本の法律上、一度賃貸に出してしまうと、借り手が出ていくといわない限り、退去は難しいです。何故なら「借り手の住まいを守る」必要があるからです。

    退去させる方法もありはしますが、借り手の次の住まいや引っ越しの手配等の必要が出てきますし、そこまでやっても出ていかない可能性があります。(手配は実際に物件を用意することもありますし、単純に金銭の負担だけの場合もあります)

    その為、賃貸に出した物件を居住用として売るためには、借り手が退去するまで待つのが得策です。
    コンパクトなマンションであっても、物件の面積が登記簿上30平米以上あれば、住宅ローンを利用することができます。30㎡以上あれば、投資用ではなく、なるべく居住用として売り出した方が高い金額での売却が望めます。
    賃貸していたら、解約するまで待つのが得策です。

    【賃貸中の物件を高く売る方法】

    借り手に売るという方法もある
    前回、「賃貸中物件を高く売ることができない理由は、買い手が住宅ローンを利用できないから」という話をしました。

    しかし、これを解決するうまいやり方もあります。
    現在、物件に住んでいる借り手に売るということです。借り手は自分で住むのですから、居住用での購入となり、住宅ローンが利用できます。ポイントは物件の面積が40㎡以上 (銀行によっては30㎡でも可能)であることです。

    ファミリー向け物件が向いている
    いわゆる「ワンルームマンション」では難しい、と思ってください。借り手の立場で考えてみましょう。

    月7万円賃料を支払っている場合、賃料と同じ支払金額の住宅ローンを借りるとなると、2500万円程度の物件を買えることになります。
    購入すると、管理費や修繕積立金、そして固定資産税を支払うことになりますから、賃料と同じ金額のローンを組むわけではありませんが、一般的に、同じ賃料支払うよりも買ってしまった方が月々の支払い額は減ります。

    賃料のほうが住宅ローンよりも安かったら、誰も住宅を買わなくなってしまいます。借り手に売却することは、売り手・買い手にとってメリットがある提案なのです。

    購入してくれそうな借り手さんは?
    では買ってくれる可能性の高い借り手とはどんな方でしょう?
    一般的に次のような人たちです。

    (1)何度も更新してくれている(長期の借り手)
    (2)子供がいる

    (1)の、何度も更新して長く住んでいるということは、エリアや物件が気にいっているからです。
    「これからも長く賃料を支払うなら買ってしまおうか」という考えになりやすいでしょう。

    (2)の場合、子供がいると学区域の関係から「同じエリアに住み続けたいと考える人は多いでしょう。
    「子供が独立したから」「連れ合いを亡くしたから」など、家族構成の変化で部屋のタイプを変えたいという借り手にはなかなか買ってもらえませんが、基本的には前向きに考えてを変えたいという基本的には前向きに考えてくれるでしょう。

    しかし、(1)と(2)に共通することは、「実際に住宅ローンを組むことができる世帯かどうかできる世帯かどうか?」です。
    また、貸すタイミングで買える借り手か、買えない借り手か見極めることも重要です。
    借り手(テナント)が不動産を購入できる人なのか(住宅ローンが組めるのか)を知るには、入居当時の審査資料を確認してみましょう。

    賃貸に出したオーナーは、管理会社から書類を受け取っているはずです。
    ・本人確認資料
    ・印鑑証明書
    ・源泉徴収票

    つまり、借り手がどの企業で働いているのか、年収がどの程度なのかがわかるということです。

    一般的に、自営業者は住宅ローンが組みづらく、会社員は組みやすいですから、この点を事前に確認してからコンタクトを取るのがよいでしょう。
    「買う気になったが、住宅ローンの審査が通らなかったので買えなかった」という事態は、借り手にとっても気分がよいものではないからです。

    貸し手と借り手との関係は良好であることが一番ですから、その点はケアしたうえで話を進めましょう。


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