貸すリスクを見きわめる-不動産コラム「家を売るという事」Vol.35 | センチュリー21グローバルホーム
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貸すリスクを見きわめる-不動産コラム「家を売るという事」Vol.35
【貸すリスクを見きわめるーまずは自分のライフプランを確認する】
貸すメリット・デメリットを見きわめたら、次は自身のライフプランを確認しましょう。
貸そうと考えた場合、未来のプランとして次の3つの可能性があります。
(1)ずっと貸し続けて収益物件として所有する
(2)将来、自分が住む、または利用する予定がある
(3)今はとりあえず貸しておくが、将来は売る可能性もある
ずっと収益物件として貸し続けるならビジネスとして精を出す
(1)の場合は、単純に家賃とローン等の支払いの収支、自身の資産形成を考え、「家賃収入を得るビジネス」として一生懸命、精を出してください。
ただ、前項でもお話しした通り、貸してしまうことで将来売ることになっても「収益物件としての評価」しか得られません。
また、新しい不動産を買おうとしても、2つ目の住宅ローンとなることで融資が受けにくくなります。
将来、住むなら「定期借家契約」も
(2)の場合、「将来自分が使うことを前提とした賃貸業」をしなければいけません。気をつけるべきなのは、「普通の賃貸物件」として人に貸してしまうことです。自分が戻ってくるタイミングで賃借人が退去してくれればいいのですが、まずそううまくはいきません。このため、借主が出て行くまでは、自身も家を借りる必要が出てきます。「貸主が使うから出て行ってもらったらいいじゃないか」という方もいますが、「借地借家法」と現行法令の下では、借主がきちんと家賃を支払う限り、貸主の都合で追い出すことは難しいのです。
なぜなら貸主は「正当な事由」がない限り、借主に退去してもらうことはできないからです。
もちろん、家賃滞納など契約書の解除条項に抵触すれば、当然契約を解除することができますし、また借主が退去に応じれば問題ありません。
しかし、借主が「出て行きたくない」となると、貸主は「正当事由」で抵抗するしかありません。
「貸主が使うから」というのは正当な事由にはならないのです。
ただし、帰ってくる時期や将来の家を使いたい時期が確定しているのであれば「定期借家契約」を利用するのも手です。定期借家は契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に借家契約が終了します。
このため、利用したい時期までの契約にしておけば、確実に借主が退去し、自宅として利用契約にしておけば、確実に借主が退去し、自宅として利用できます。
次回は(3)の「今はとりあえず貸しておくが、将来は売る可能性もある」について、ご説明します。
【貸すリスクを見きわめるーライフプランを明確に】
前回、貸そうとした場合の未来のプランとして次の3つをご紹介させていただきました。
(1)ずっと貸し続けて収益物件として所有する
(2)将来、自分が住む、または利用する予定がある
(3)今はとりあえず貸しておくが、将来は売る可能性もある
(1)と(2)は前回ご説明差し上げたので、今回は「(3)今はとりあえず貸しておくが、将来は売る可能性もある」について、ご説明差し上げます。
明確なライフプランがある方ばかりだといいのですが、(3)の「とりあえず貸しておこうと思うのですが」と相談に来る方が多いのです。
明確なプランがなく「貸して家賃収入を得るのもいいな」とお考えであれば、売ったほうが賢明です。
大家業で安定した家賃収入を得るというのは、簡単なようで大変なのです。
修繕や入退去ごとのリフォーム、家賃支払いの遅れがあったり空室になれば、いきなり赤字になります。
また20戸程度所有していれば、1軒空いても空室率5%ですが、自宅として使っていた1室だけの賃貸業なら、空けばいきなり空室率100%で家賃収入もゼロ、支払いは止まらないで家賃収入もゼロ、支払いは止まらないという最悪の事態を招きます。中長期的に不動産は買い手市場で、買い手のつかない物件は賃貸物件に回ります。
賃貸市場も供給過多となり、借主の奪い合いは激化します。不動産を所有していても、将来価値が上がることは一部地域を除いて難しいでしょう。
「10年家賃をもらったけど、売ってみれば年家賃をもらったけど、売ってみれば10年間の値下がりでプラスマイナスゼロだったよ」なんてことになれば、何のために神経をすり減らして大家業をしてきたのかわかりません。
当然、経過年数から売値も下がります。
売るか貸すかの判断をするときは、まず明確なライフプランを描くことです。
それが明確に見えないのであれば、売ってしまったほうが不動産の値下がりリスクに晒されずに済みます。
将来に向けて身軽でいるほうが賢明かと思います。
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