不動産コラム「家を売るという事」Vol.15①「売却戦略」②「「3 つの価格」と「スケジュール」」 | センチュリー21グローバルホーム


  • 不動産コラム「家を売るという事」Vol.15①「売却戦略」②「「3 つの価格」と「スケジュール」」





    【売却戦略】
    今回は、実際にあった事例を基に自宅売却戦略のご説明をしたいと思います。
    ① Aさんの場合さんの場合
    Aさんは、新築戸建の購入契約をしていました。
    しかし、住宅ローンの条件として今お住まいの自宅を、新しい自宅の引き渡しまでに売却しなければいけません。
    期限は4ヶ月しかありません。
    売り急いではいましたが、できるだけいい条件で売却したいということでした。
    査定をしたところ、Aさんの3つの価格は以下の通りでした。
    売ることができる価格=2400万円
    売れる価格=2600万円
    売りたい価格=3000万円
    さすがに私は3000万円の売り出し価格は厳しいと思いましたが、Aさんの強い希望もありましたので、次の通り戦略を立てました。
    1ヵ月目…値引き交渉も想定し、3080万円で売却開始
    2ヶ月目前半…2790万円に下げる
    3ヶ月目前半…2680万円に下げる
    3ヶ月目後半…2480万円に下げる
    こういう戦略を立てました。
    そして売り出した結果、2790万円のときに成約となりました。
    結果的には過去の成約事例と比べ好条件での売却となり成功しました。
    ② Nさんの場合
    Nさんは特に売り急いでいることもなく、時間がかかってもいいので高く売りたいということでした。
    ただし古い物件だったので、査定は厳しい数字をつけました。
    売ることができる価格=1400万円
    売れる価格=1500万円
    売りたい価格=1800万円
    Nさんの本音としては、査定で算出した1500万円で売れれば大満足ということでした。
    しかし急いでいないので、できるだけ高く売りたいというご希望を尊重した戦略を立てました。
    1~2ヶ月目…1890万円で売却開始万円で売却開始
    3ヶ月目…1790万円に下げる
    5ヶ月目…1680万円に下げる
    6ヶ月目…1580万円に下げる万円
    また、1400万円台まで下げるのであれば、「売ることをやめる」ということにしました。
    結果は売却開始1週間で出ました。
    買主さんが現れたのです。
    1890万円の売却価格に対し、かなり厳しい1500万円という購入申込書でした。
    通常の住宅の場合、ここまで価格に開きのある購入申込書を受け取ることはありません。
    しかし私は、この購入申込書を持ってNさんと相談しました。
    もともと戦略をちゃんと立てていたNさんにしてみれば1500万円が売却の目標額でした。
    その結果、交渉の末、1680万円で売却することができたのです。
    Nさんにとっては1割以上高い好条件での売却となりました。
    なお、後日Nさんが教えてくれた話があります。
    この物件、実は私以外に数社の不動産会社に査定を依頼していたそうです。
    しかし他社の査定の最高額は1470万円でした。
    過去の事例に固執し、売れる値段だけを考えた査定をしたのでしょう。
    戦略的に売ることはそれだけ大事なのです。


    【「3 つの価格」と「スケジュール」】
    前回、具体的な売却戦略をご紹介しました。
    この戦略を組み立てる要素は、先ほど説明した「3つの価格」だけではないことにお気づきになりましたでしょうか。
    そうです。「売る戦略」とは、設定した「3つの価格」に「スケジュール」を組み込むことです。
    「1 円でも高く売りたい」。その気持ちは、売主さんとなる方全員がお持ちの感情です。
    けれども、売主さんとして「売れたらいいな」という価格があっても、
    そこに買主市場がないのであれば売買は成立しません。
    また、いくら考えに考えて査定額を決めても、それはあくまで机上の空論。
    「査定は参考。市場に出してみないとわからない」というのが正しいところです。
    これは、不動産会社としては非常識な意見かと思います。
    「事例を参考にすれば正しい査定になるのではないか」という意見もあるでしょう。
    しかしその「成約事例」はどのように出てきたものでしょう。
    それは「過去にこの値段で売れた」という「事例の事例」です。
    前回ご紹介したAさんとNさんのさんの2人は、過去の成約価格以上の値段で売却されました。
    その結果、AさんとNさんのマンションでは、新たにAさん、Nさんの価格が「売れた実績」=「成約事例」となっていくのです。
    これは魚釣りに似ています。
    魚は毎日同じところにはいません。
    天候、気温、潮の流れといったいろいろな要因によって場所を変えます。
    「昨日はここで釣れた」と、過去の事例だけを頼りに同じ場所に行っても釣れません。
    状況が変化する以上、同じ場所で同じ仕掛けをしても釣れません。
    だからこそ、「昨日はこれで釣れた」という情報をもとに、限られた時間の中でそれまでの知識や経験、すなわち「知恵」をもとに、深さや仕掛け、エサを変えながら釣っていくのです。
    そして、釣れたら「ここで釣れた」という「新しい事例が誕生」するのです。
    自宅を売る時も同じです。買主さんさんは同じ場所にはいません。
    また、景気や世の中の雰囲気など、状況は常に変化します。
    昨日この価格で売れたから、今日もこの価格で売れるとは限らないのです。
    だから、3つの価格を、売却するために限られた時間の中でスケジュール設定するのです。
    少しでも好条件で売却するには、市場の反応を見ながら値段を調整していくことがきわめて重要なのです。
    そして、その市場の反応を見きわめるために必要なのが「3つの価格」と「スケジュール」なのです。
    「○○○○万円で△ヶ月売って、買主さんが現れなければ□ヶ月後に××××万円まで値段を下げる」と設定し、市場の需要を探っていくのです。
    こういう戦略で売っていくことができれば、いざ売れたときに「もしかしたらもっと高く売れたかもしれない」と後悔は生じないでしょう。
    逆に「どんどん値段を下げられたらどうしよう。どこまで下げるのだろう。いつごろ売れるのか」という不安もありません。
    つまり、自宅売却の戦略を組み立てるということは、「売りたい価格」から「売ることができる価格」の間で「売れる価格と時間を決めて探っていく」という作業なのです。

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