不動産屋の気になるNEWS! ホームインスペクション見直しへ Vol.2不動産屋の気になるNEWS! ホームインスペクション見直しへ Vol.2 | センチュリー21グローバルホーム
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不動産屋の気になるNEWS! ホームインスペクション見直しへ Vol.2
不動産屋の気になるニュース!!
ホームインスペクション見直しへ 国交省4つの論点から検討
制度理解と実施効果を高める具体案は?
先ほど見直しの方向性として4つの論点が示されましたが、具体的にどのような内容が示されたのか見て行きましょう。
まずは、「①宅建業者の環境整備・実効性強化」についてです。
これは宅建業者があっせんを拡大していくために、事業者が取り組みやすくなる環境整備や制度の実効性をより確保するために宅建業者があっせん「無」とする場合に媒介契約書にその理由を記載する事や、自治体ごとに宅建業団体と建築関係団体の連携を促進・支援する等の案が示されました。
次に「②インスペクションの意義・効果」です。インスペクションにかかる費用に見合う効果が消費者はもちろん、宅建業者にも十分浸透していない現状に対して、宅建業者が消費者に説明する際に用いることができる分かりやすいリーフレットの作成や、インスペクションを実施しないことによるリスクやそれを回避する効果を明確化するなど、改めて整理が必要であることなどが示されました。また、実施メリット強化の観点から、インセンティブの付与などの支援策なども検討されるようです。
続いて「③類似する調査・検査」です。住宅の検査や調査と言っても、例えば長期優良住宅の認定なのか、瑕疵保険に加入するためなのかなど、趣旨や目的の違いによって内容や検査項目も定められているものの、一方で一括りにインスペクションと称されている現状もあり分かりづらいといった指摘があるため、例えば建物状況調査と瑕疵保険の検査など、類似する調査や検査を1回で実施できるよう効率化し、「既存住宅状況調査技術者検索サイト」を改修して検査の実施フローなどを分かりやすくしたり、統一的な名称や呼称にするなども今後の検討項目とすることなどが示されました。
最後に「④共同住宅」についてです。マンションにおけるインスペクションは住戸専有部分だけでなく共用部分も調査対象となることや、既存住宅瑕疵保険の検査とは別になる点など分かりにくいといった課題もあったため、インスペクションの拡大に向けて、共用部分について、現在行われている既往の調査(建築基準法の定期報告調査や大規模修繕に係る調査等)に併せてインスペクション調査を行い、その結果の活用を活用したり、併せて有効期間の見直しなどの検討も示されました。
日本では既存住宅の流通量が欧米諸国と比べて6分の1程度と低い水準にあり、また昨今の空き家問題なども含めて今後ますます売主・買主が安心して取引していける市場環境を整えていく必要があります。そのためにこのインスペクションを活用した「建物の健康診断」を実施することが当たり前となることや、以前にコラムで書いた不動産IDを付与してその不動産にどのような検査や調査、履歴があるかなどが一元化できたりするとより前向きで活発な不動産取引に繋がるのではと思います。