「家を買う」という事Vol.25 | センチュリー21グローバルホーム


  • 「家を買う」という事Vol.25




    【資産価値を保ちやすい一戸建て②】
    さて、前回「資産価値を保ちやすい一戸建て」についての考え方をご紹介させて頂きました。今回は実際にどのような点をチェックすべきか、例を交えつつご紹介していきたいと思います。
    まずは構造の面から見ていきましょう。一般的に流通している木造住宅は基本的に「在来工法」か「ツーバイフォー」のいずれかです。「在来工法」とは日本で古くから行われてきた建築方式で、柱や梁で家を支えています。柱の無い広いお部屋が作りにくいのですが、それ以外の制約は少なく間取りの自由度が高い構造です。対して「ツーバイフォー」とは規格化された木材を組み合わせて作ったパネルを組み合わせて箱状にしていき、柱ではなく壁全体で家を支える工法です。外からの力を「面」で受ける為、シンプルでも耐震性の高い、頑丈な造りになっています。「張り合わせる」という作業は職人の技量による質の差が出にくく、部材が規格化されているので「低コスト・短工期」というのが大きなメリットです。平たく言えば「質の高さが安定していて、割安な工法」といえます。
    しかしデメリットもいくつかあります。施工の目線から言えば、床から作っていくので施工中の雨の影響を受けやすいことや、大量の釘を使う組立作業は、在来工法に比べ職人の負担が大きいことが挙げられます。構造上のデメリットとしては「壁=柱」であるために「壁の減少=強度の減少」となることが挙げられます。具体例として、「大きな窓を作りにくい」「壁を抜いて部屋を繋げるといった壁を減らすリフォームはできない可能性がある」といったところが弱点です。
    つまりここでようやく冒頭に繋がりますが、ツーバイフォーは安いが間取り変更がしにくいことは「資産価値の維持」という視点においては注意が必要といえます。ただ、「ツーバイフォーが悪い」というわけではありません。使い勝手の良い間取りに変更できるかどうか、確認しておくべきであると認識していただけるといいと思います。
    さて、もう一点、構造に起因する注意点をお伝えしておきたいと思います。これはあまり多くはありませんが、お風呂・トイレなどでとても古いものや、高級物件に見られる特殊仕様には注意が必要です。特に壁面がタイル張りや、石造りなどの特注品である場合です。見る機会の多い樹脂やプラスチックで作っているものは、工場で作ったものを運び込んで嵌め込むようなイメージで、取り外しが簡単になっています。
    しかしタイル張りのものは、容易に取り外せるようなものではなく、該当する部分を中から壊して解体しなければならない場合があり、大変な手間がかかります。こういった場合は、リフォーム費用が高額になりやすいので注意が必要です。もしも購入を検討する場合は、事前にリフォーム費用の見積りはとっておいたほうが良いでしょう。

     

    【資産価値を保ちやすい一戸建て③】
    前回までに引き続き「資産価値を保ちやすい一戸建て」について、今回はここまでの内容を踏まえ、例をご紹介していきたいと思います。いろいろなパターンがありますが、様々なライフスタイルへの「対応力」という点でいきますと「二世帯住宅にしやすい間取り」は比較的高い評価を得やすいです。二世帯住宅での親子の同居に関しては抵抗を感じられる方もいらっしゃるので、実際にどのような使い方をするかについてはここではあまり言及せず、あくまで「対応力」が高い間取りとして例示させて頂きます。二世帯住宅というのは、親世帯との同居ができるだけでなく「状況に応じて一部を賃貸に転用可能」というのが最大の強みになります。お子様の独立後、一般的には家の中に使わなくなってしまうスペースが出来がちです。
    しかし、二世帯住宅にしやすい間取りであれば、空いたスペースを活用して賃料収入を得ることも期待できるのです。以前に「家の購入は投資となる」「年金の役割もある」といったことをお話したことがあると思いますが、まさにその一例と言えるものだと思います。ちなみに、共働き夫婦が増加していく中で、お子様が小さいうちはご両親のサポートを受けたいとの意向から奥様のご実家近くに近居するというケースは増えてきています。また、高齢化が進み介護等の懸念も増えていくことで、二世帯住宅の需要も増えていくことが予測されています。
    しかし二世帯住宅は事例が少なく、中古となると中々手に入りません。そうしたことから「流通性」という面でも二世帯住宅は有利な形態といえます。「対応力」も「流通性」も期待できる、つまりは資産価値を保ちやすいと言えるわけです。
    さて、ここからは実際に二世帯住宅にしやすい間取りの見極め方をお伝えしたいと思います。最も重要な点は下記の2点です。1.水周りの増設はできそうか? 2.玄関の増設はできそうか?まず、水周りについてはキッチン・お風呂・トイレが無い階に注目します。一般的に一戸建ての多くは、1階にLDKと水周り、2階に居室という位置関係が多いですが、そういった場合は2階の間取りが重要になってきます。なるべく柱と壁の位置は変えずに、1階の水周りとなるべく同じ位置に、2階の水周りも配置できると工事は比較的に簡単に済みます。実際に、建築当初から将来的な二世帯転用を考えている住宅はこのような配置にされていることが多いです。次に重要なのが玄関の増設可否です。賃貸用となると外に階段を作れた方が借り手側には喜ばれるのですが、外階段はある程度費用が掛かりますし、建築の制限によって増設できないこともあります。そこで見ておきたいのが、階段と玄関の位置関係です。階段を封鎖して室内からの行き来をできなくしたうえで、階段の近くに新たに玄関を配置できるようであれば二世帯への変更は容易です。
    ただ、実際の二世帯住宅ですと下の階は1Rだけにして、1階にある水周りは2階の世帯が引き続き使う場合もあるので、この辺りはケースバイケースにはなってきます。実際の工事可否は専門業者との打合せも必要になりますので、あくまで見分け方の一例としてご参考にして頂けますと幸いです。


カレンダー
 << 2024年12月